経営者と後継ぎの目の色が変わった瞬間とは

承継対話支援士®️で、事業承継・後継ぎ育成を大阪、兵庫など関西中心に支援している鹿島です。

まだまだ暑さとの戦いは続きますね。

週末に東京にいたのですが、大阪に戻ってきたら暑さと湿気でクラっとしそうでした。

先日、ある金融機関から相談を受けました。

経営者と後継者の経営に対する考えが大きく違い、事業承継の話をしようとしない。

その金融機関は主力取引であり、融資額もそれなりに多いことから、経営者親子が事業承継について話もできない状態を看過できないということでした。

経営者である父親は、創業社長に多い完全なワンマンです。

後継者は、物静かで、じっくりと物事を進めていく慎重な性格です。

その経営者は、住宅の販売で成功し、その後介護や不動産賃貸などの領域に事業を拡大させ、成功した人物です。

住宅事業は1軒ごとに利益を確保しながら進める事業なので、経営者の採算に対する意識はとても高いのです。

後継者は介護などの事業を担当しています。

介護事業や保育事業は、建物を建て、定員に対して必要な人員を事業を始める段階で採用しておく必要があります。

初期投資が大きいということは、減価償却費という費用の負担も重くなります。

利用者は募集してから徐々にしか増えませんが、一定の職員は雇用済であり、人件費の負担も重い状態が続きます。

事業開始数年は、どうしても利益が確保しづらいという特性があります。

後継者は介護や保育と言った事業を統括しているので、経営者からみると、後継者の利益確保への努力が足りないように映っていたのです。

そんな状態だったので、金融機関はかなり苦労して経営者と後継者に話し合いの場につくことに尽力されたようでした。

僕がやったことは「事業承継計画書」を作成する過程を通じて、経営者と後継者の事業への思いを聞き出し、計画書という形で見える化したことでした。

計画書は、完全なものでなくても問題ありません。

経営者と後継者の事業への思いを語ってもらうような【問いかけ】を続けたのです。

30分も経ったころから、後継者の考える会社のありたい姿を聴いて、経営者が大きく頷き、自分の考えもまったく同じだという発言がありました。

これまで、経営方針がまったく別だと思っていた金融機関の方だけでなく、後継者も「えっ、本当?」といった表情をされていました。

それからは、後継者が語る会社のありたい姿を実現するためにどうしていくかという前向きな対話が増えてきました。

僕がやったことは、「見える化」と「問いかけ」です。

事業承継の特別な知識は一切話していません。

事業承継は特別で難しい、といった思い込みを支援者側が持っている限り事業承継に悩む企業は減りません。

だからこそ、経営者と後継者の対話を通じて会社の「ありたい姿」を言語化するだけでなく、イメージも共有することを支援できる人材を増やしたいと思っています。

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