【会社の株式が宙に浮いたらどうなる?】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。

事業承継の相談を受けていると、本当に同じものって無いんですよね。

最近あった相談です。

社長が急逝!…そのとき会社はどうなる?

もし社長が100%株を持ったまま急逝したらどのような事態が発生すると思いますか?

会社はどうなるのでしょうか?従業員や取引先は?会社は存続できるのでしょうか?

このブログでは、実際に起こり得るトラブルと、事前にできる対策について解説します。


1. 社長が急逝!相続放棄された株式はどうなる?

ワンマン経営の社長が急逝し、会社の株式を100%保有していた場合、その株は本来、相続人に継承されるはずです。

しかし、会社の借金が年商を超えるほど多い場合、相続人(たとえば社長夫人)が「こんな借金を引き継ぎたくない」と相続放棄をすることがあります。

相続放棄がされると、株式の行き先がなくなり、会社の経営権は宙に浮きます。その結果、会社は「株主不在の会社」となってしまいます。

では、株主がいない会社はどうなるのでしょうか?


2. 株主がいないと会社はどうなる?

会社にとって株主は、「会社の所有者」です。株主総会を開くことができず、取締役の選任や役員の報酬決定など、重要な経営判断ができなくなります。

具体的な問題点

  • 会社の代表者が不在になり、銀行取引ができなくなる
  • 取引先が不安になり、契約を打ち切る可能性がある
  • 従業員が不安になり、退職する人が増える
  • 役員の任期が切れたときに新たな役員を選任できない

このままでは会社の存続が難しくなります。では、どうすればいいのでしょうか?


3. 会社を救うためにできること

会社の存続を望む従業員や取引先にとって、緊急対応が必要です。

① 特別管理相続財産を活用する

相続放棄をすると、株式は「相続財産法人」として家庭裁判所の管理下に置かれます。従業員や関係者が裁判所に申請し、会社を維持するための管理者を選任することができます。

② 会社の資産を使い、新会社を設立する

従業員や幹部が中心となり、新会社を立ち上げる方法もあります。これにより、旧会社の負債を引き継がず、事業を続けることが可能になります。

③ 事業承継ファンドやMBO(経営陣買収)を活用する

金融機関や投資ファンドと連携し、会社の事業を買い取る形で継続させることも検討できます。

このような対策は、専門家の協力が不可欠です。税理士、司法書士、弁護士、中小企業診断士などの専門家に早めに相談することが重要です。


4. そもそも、こんな事態を防ぐには?

ここまで読んで、「うちの会社も同じ状況になったらどうしよう…」と不安になった方も多いのではないでしょうか?

実は、事前に対策をしておけば、こうした最悪の事態を防ぐことができます。

① 株式を事前に分散しておく

社長が100%株式を持っていると、急逝したときに経営が立ち行かなくなります。あらかじめ後継者や信頼できる幹部に一部の株を譲渡することで、事業継続のリスクを分散できます。

② 事業承継信託を活用する

「事業承継信託」を活用すれば、社長が急逝しても事前に指定した後継者へ株式をスムーズに移転できます。

③ 生命保険を活用する

社長が急逝した際のリスクに備え、会社が受取人となる生命保険に加入しておくと、会社の再建資金や株式買取の原資として活用できます。

④ 後継者と対話をする

何よりも大切なのは、「もしものとき」に備えて、後継者や幹部と対話をしておくこと。
「事業承継」という言葉を使わずとも、「会社をどう続けるか?」 という視点で話し合うことで、円滑な引き継ぎが可能になります。

最近、事業承継についての話題が少しずつですが増えてきているように感じます。

事業承継の第一歩は、経営者に「声かけ」することが第一歩です。

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