対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
11月・12月は法事が重なり、事業を次の代につないでいくことの大切さを再認識する機会がありました。
年末年始、事業承継の話は「決める」より「問いかけ」から始めよう
年末年始は、不思議と心に余白が生まれる時間です。
仕事の手を少し休めながら、「この会社、この先どうなるのだろう」と、ふと考える瞬間が増える方も多いのではないでしょうか。
50代・60代の経営者にとって事業承継は気になるテーマです。
一方で、「まだ元気だ」「縁起でもない」と感じ、話題にすることを避けてしまう。
20代〜40代の後継者も同じです。会社の将来は気になるけれど、先代に切り出すのは気恥ずかしく、つい言葉を飲み込んでしまう。
だからこそ、年末年始におすすめしたいのは、
事業承継を“決める”ことではなく、 “問いかける”ことです。
たとえば、こんな問いからで十分です。
「もし10年後もこの会社が続いていたら、誰がどんな顔で働いていてほしいですか?」
これは承継の話ではなく、未来の情景を思い描く問いです。
「最近、“この会社らしいな”と感じた出来事は何でしたか?」
これは理念や価値観を思い出す問いです。
「後継者(または先代)に、実は一度だけ伝えてみたいことは何ですか?」
面と向かって話さなくても、ノートに書くだけで構いません。
こうした問いには共通点があります。
正解がないこと。
今すぐ答えを出さなくていいこと。
そして、一人でも考えられることです。
事業承継は、ある日突然「やる」と決めて進むものではありません。
その前段階として、後継者教育、管理会計の導入、組織のあり方の見直し、新商品・サービスの検討など、できることはたくさんあります。
これらはすべて、事業承継の“準備運動”とも言える取り組みです。
承継が終わった後も支援は続きます。
後継者が社長として孤立しないよう、壁打ちの相談相手になる。
意思決定しやすい組織や人事制度を整える。
場合によっては、カーボンニュートラルなど新たな経営テーマに挑戦することもできるでしょう。
年末年始にしてほしいのは、大きな決断ではありません。
会社のこれからを、少しだけ言葉にしてみること。
問いを一つ考える。
紙に書いてみる。
承継対話支援士®のような事業承継の支援者と雑談のように話してみる。
それだけで、事業承継はもう静かに始まっています。
重くしない。
急がない。
でも、先送りにもしない。
そんな一歩を踏み出す年末年始にしてみませんか。
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