対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
今日は、中小企業診断士仲間であり、同じ承継対話支援士®仲間であるタカミンが主催するラジオの収録があり、京都まで行きました。
今日の京都は朝から雨でした。
しかも、収録スタジオへ行くためのバスが高校駅伝のコースを一部走るため、30分遅れと収録時間が30分近く遅くなってしまいました。
収録は緊張もせずに、楽しく終えることができました。放送日時が決まれば別途ご案内しますね。
2025年も残すところ10日ほどになりましたね。
先日も、とある支援機関の職員に向けて事業承継支援の講習会を開催しました。
その中でも、事業承継を進めるための場作りの支援がまだまだ不足していることをお伝えしました。
目次
後継者が事業承継を切り出せない本当の理由
― 解決策は「支援者同席の対話」にあった ―
「事業承継の話は、いつかしないといけないと思っている」
多くの経営者も後継者も、そう口をそろえます。
それでも実際には、何年も話題に上がらないまま時間だけが過ぎていく。なぜでしょうか。
後継者に理由を聞くと、こんな声が返ってきます。
「今さら言い出しにくい」
「社長の気分を害しそうで怖い」
「まだ自分には早い気がする」
つまり、事業承継の問題ではなく、 “切り出し方” の問題なのです。
親子・上司部下だからこそ話しにくい
経営者と後継者の関係は、特別です。
親子であり、上司と部下であり、同じ会社の未来を背負う仲間でもある。
この近さが、逆に本音の対話を難しくします。
面と向かって話すと感情が先に立ち、
「まだ早い」
「余計な心配をするな」
そんな言葉で話が終わってしまうことも少なくありません。
ここで重要なのは、二人だけで話そうとしないことです。
カギは「支援者同席の対話」
私が多くの現場で効果を実感しているのが、
支援者が同席する対話の場を、意識的に設けることです。
第三者がいるだけで、対話の空気は大きく変わります。
・感情的になりにくい
・言葉を選ぶようになる
・「説明する」意識が働く
結果として、普段は言えない本音が、少しずつ言葉になります。
支援者の役割は「答える人」ではない
ここで勘違いしてはいけません。
第三者=専門家が、立派な答えを出す必要はありません。
支援者の役割は、
話題を投げ、流れを整え、沈黙を恐れないこと。つまり、場を整えることですね。。
たとえば、こんな一言で十分です。
「今日は結論を出す場ではありません」
「今どう感じているかを聞かせてください」
この一言があるだけで、経営者も後継者も安心して話し始めます。
後継者が“悪者”にならない仕組み
第三者同席対話の最大の価値は、
後継者が事業承継を切り出した“張本人”にならないことです。
支援者が場をつくり、
「最近、将来の話をする会社が増えていまして」
と自然に話題を振る。
すると後継者は、
「実は少し考えていることがあって…」
と、無理なく話に入れるのです。
これは勇気ではなく、設計の問題です。
事業承継支援は、対話を続ける仕事
事業承継は、一度の面談で終わりません。
むしろ、第三者同席対話をきっかけに、
「また話そう」
「少しずつ考えよう」
という関係が生まれます。
支援者にとっても、
短期の成果より、長期の信頼関係が価値になります。
専門知識がなくてもいい。
必要なのは、対話を怖がらない姿勢だけです。
2026年に向けて、今できること
毎年多くの会社が、話し合う前に廃業を選んでいます。
それを変えられるのは、
「話しても大丈夫な場」をつくれる支援者(承継対話支援士®)です。
もしあなたが支援者なら、
ぜひ一度、結論を出さない対話の場を演出してみてください。
事業承継は、
決断の前に、対話があります。
そして、その対話は、支援者がいることで始まるのです。
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