対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
今週もいろいろと経営のお悩みを伺いました。
相談者の年齢にもよりますが、60代以上の経営者の場合、かなりの確率でご相談の悩みを解決することと併せて事業承継への準備ができます。
残念なことに、ほとんどの相談者は、気がついていません。
目の前の経営課題を何とかしようと、相談されるので無理もありませんね。
でも、その経営課題の解決と一緒に承継への準備も始めませんか、と投げかけると一定の確率で「やりましょう」という返事が返ってきます。
支援者側の声がけが大切なんだなぁと感じる瞬間です。
さて、今回のブログは、
社長が手放さないのは“性格”じゃない──「任せられない」を条件に変える4分解質問
【ケース】
建設業。社長は「後継者に継がせる」と言う一方で、見積・採用・大口取引の判断は最後まで自分で握る。
後継者は現場を回しているのに、会議では発言が減り、幹部はどこか様子見。
支援者が「権限移譲しましょう」と言っても、社長の表情が固まり、話が進まない——。
この停滞を「社長が頑固だから」で片付けると、承継は長期化します。現場で多いのは、社長の本音がこれです。
「任せたい。でも、失敗したら会社がもたない」
つまり問題は意志ではなく、不安が未整理なこと。ここに第三者が入る意味があります。
「任せられない」を“評価”から“設計条件”に変える
社長の不安は、次の順で出てくることが多いです。
能力 → 人(幹部・社員)→ お金 → 信用(取引先・金融機関)
だから質問も、この順が効きます。
-
能力(いちばん多い)
「“任せるのが不安”なのは、具体的にどの仕事・どの判断ですか?」
※人格ではなく“場面”に落とすのがコツ(値決め/採用/クレーム対応 等) -
人(組織がついてくるか)
「その判断を後継者がした時、社内で一番反対しそうな人は誰ですか?」
※反発ポイント=巻き込み設計の起点 -
お金(損失耐性)
「そこで失敗が起きたら、どのくらいまでなら会社は耐えられますか?」
※“許容損失”が決まると、任せ方(上限・レビュー頻度)が決まる -
信用(守りたいもの)
「その失敗で、一番守りたい信用はどこですか?」
※取引先/金融機関/地域…守る対象が見えると説明が整う
この4問で、社長の「任せられない」は後継者批判ではなく、承継の設計図になります。
診断士としては、ここから決裁設計・会議体・レビューの仕組みに落とし込めます。
テンプレ(不安→条件化メモ)
- 不安な判断(能力):________
- 反発しそうな人(人):________
- 許容損失(お金):________
- 守りたい信用(信用):________
- 任せる条件(例:金額上限/事前相談/週次レビュー):________
【宿題】
次の面談で、まずは①だけ。
「どの仕事・どの判断が不安ですか?」を“場面”まで具体化して、メモに残してください。そこが次回の打ち手の出発点になります。
【次回予告】
金融機関回:承継期に揉めやすい「退職金・株式・納税」を、数字より先に“有無と時期”で見える化する方法。
『対話のチカラで事業承継を支援したいと思う方は、承継対話支援士®養成講座の説明会にご参加ください。』
https://jiririta-japan.com/lp01/
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