対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
5月になりましたね。
今年のゴールデンウィークは、特に予定を決めない方が多いようです。
日帰りで行けるようなちょっとしたお出かけをする方が多いですね。
ゴールデンウィークは、年末年始・盆休みに続いて事業承継について考える時間を確保できる時期と言われています。
行政の方とお話をしていても、『事業承継に力を入れています』との回答が増えてきた感じがします。
目次
「社長が手放せない」を責めずに前へ進める——承継が動き出す“対話の型”
【ケース(あるある)】
社長は「継がせるつもりだ」と言う。後継者も「やります」と言う。なのに、値決め・採用・大口取引・借入など、重要な判断は最後まで社長が握ったまま。周囲が「権限移譲を進めましょう」と言うほど、社長の表情が固くなる——。
この場面で社長を「頑固」「変わらない」と評価してしまうと、承継は長期化します。
まず前提を置きます。社長が手放せないのは、性格の問題ではなく、多くの場合不安が言語化されていないだけです。社長の本音はだいたいこうです。
「任せたい。でも、失敗したら会社がもたない」
ここを“責めずに”扱えるのが、支援者の価値になります。
今週の1スキル:不安を「批判」から“条件”に変える
社長の「任せられない」は、後継者批判の形で出がちです。
「まだ早い」「経験が足りない」「危なっかしい」
これを受けて支援者が反論すると、社長は黙ります。そこでやるのは反論ではなく、分解して具体化です。
私は次の順で聞きます(この順が揉めにくい)。
① 能力:どの判断が不安か(場面に落とす)
「“任せるのが不安”というのは、具体的にどの仕事・どの判断ですか?」
例:値決め/採用/クレーム対応/大型投資/主要取引先対応
ここで「後継者がダメ」から「この場面が怖い」に変わります。
② 人:誰がつまずきそうか(組織の論点にする)
「その判断を後継者がした時、社内の誰が一番つまずきそうですか?」
幹部の抵抗、現場の混乱、引き継ぎ不足…“人”の論点が見えます。
③ お金:どこまでなら耐えられるか(許容損失)
「もし失敗が起きたら、どのくらいの損失までなら会社は耐えられますか?」
許容損失が決まると、任せ方が設計できます(上限額、事前相談、レビュー頻度など)。
④ 信用:何を守りたいか(説明設計の起点)
「その失敗で、一番守りたい信用はどこですか?」
取引先、金融機関、地域、従業員…。守る対象が見えると、根回し・説明の順番が決まります。
テンプレ(コピペ可):不安→条件化メモ
- 不安な判断(能力):____
- つまずきそうな人(人):____
- 許容損失(お金):____
- 守りたい信用(信用):____
- 任せる条件:____
(例:金額上限/事前相談/週次レビュー/共同決裁の期間)
ここまでできれば「手放す」は設計できる
社長が手放せない会社は、手放す“やり方”がない会社です。
不安を条件に変えられれば、権限移譲は精神論ではなく手順になります。診断士なら決裁マップと会議体に、士業なら法務・税務の設計に、金融機関なら体制と資金影響の説明に繋がります。専門性が、ようやく前に出られます。
【今週の宿題】
次の面談で①だけ聞いてください。
「具体的に、どの判断が不安ですか?」
“場面”まで落とせたら成功です。そこから承継は動き出します。
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