【承継の論点は「順番」で決まる】

対話のチカラで事業承継で事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。

3月も半ばになりましたね。
花粉症のせいか、なかなか気力が続かず、苦戦しています。

経営者の方と事業承継の話をしていると、いつから始めればいいの?という質問を、よくいただきます。
年の初めとか、期の初め、節目の年などから着手されることが多いとお伝えしています。
そういった意味で、今の時期は、準備期間にピッタリともいえますね。

承継の論点は「順番」で決まる

3月中旬。年度末で社内も金融機関も慌ただしく、社長も後継者も「落ち着いたら考える」が増える時期です。
だからこそ、このタイミングで事業承継を前に進めるコツはシンプルで、『 論点を“全部やる”のではなく、“順番を決める” 』ことに尽きます。

事業承継が止まる現場では、だいたいこうなっています。
税理士は株式評価と相続を急ぐ。司法書士は登記や機関設計が気になる。金融機関は資金影響と体制を確認したい。診断士や支援機関は中期計画と組織を見たい。——全部正しい。
なのに、正しい話ほど社長が黙り、後継者は相づちになる。結果「検討します」で終わります。

原因は、能力でも意欲でもなく、論点の順番が揃っていないことです。順番さえ揃えば、専門性はむしろ後から効いてきます。


論点の順番表(これを守ると迷子になりにくい)

私が現場でまず整える順番は、次の5段です。

① 目的(10年後の会社像)

最初に決めるのは株式ではなく、「どんな会社にしたいか」。

  • 社長:何が引き継がれたら安心か
  • 後継者:引き継ぎたい/変えたいは何か
    ここが揃わないまま相続対策に入ると、後で必ず“やり直し”が起きます。

② 体制(誰が何を決めるか)

次に、意思決定の形を仮置きします。金額基準より、まずは案件種類で。
値決め/採用/投資/主要取引先対応…について、
「決める人・相談する人・報告する人」を置く。
これがないと、承継しても社長に戻る “空気” が残ります。

③ お金イベント(有無と時期)

退職金・株式の対価(買取等)・納税資金。
ここは精緻な金額より先に、有/無/未定時期だけ揃える。金融機関との対話が一気に楽になります。

④ 合意(親族・幹部・金融機関への説明順)

「誰にいつ話すか」を決めます。
親族に先か、幹部に先か、金融機関はいつか。
順番を間違えると、良い設計ほど炎上します。

⑤ ここで初めて:株式・相続・税務(設計と実行)

①〜④が揃った段階で、株式移転、遺言、贈与、種類株、納税資金、登記、契約…が“線”になります。
専門家としては、この段階がいちばん腕の見せどころです。


テンプレ:論点の順番メモ(A4一枚)

  • ①目的(社長の安心):____
  • ①目的(後継者の変えたい):____
  • ②体制(決裁を渡す案件3つ):①__②__③__
  • ③お金(イベント):退職金〔          〕/株式対価〔         〕/納税〔         〕(時期:__)
  • ④説明順:親族→幹部→金融機関(仮)/例外:__
  • 次回までに決めること(1つ):____(期限:__)

3月中旬は、来期に向けて「決める」「整える」が自然に起こる季節です。逆に言えば、ここで順番を整えると、年度が変わっても承継が止まりにくい。

今週の一歩:株式や相続の話を始める前に、面談で一言だけ。
「今日は、論点の“順番”だけ決めましょう。」
それだけで、承継の会話が前に動きます。

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