対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
久しぶりに問いを使ったワークショップに参加しました。
普段、対話を促す側にいますが、対話する側に回ることで気づかされることが多くありました。
事業承継は“会話のスポーツ”。AIはトレーナー、人はプレイヤー!
「承継って、なんだか難しそう…」「質問しようにも、どこから聞けばいいのか分からない…」
そんな声を、経営者や後継者、そして支援者の皆さんからよく聞きます。
でも実は、事業承継の核心はとてもシンプル。
“会話が続いているかどうか” です。
いくら計画が立派でも、会話が止まっていたら前に進みません。
まるで、練習もしないで試合に出るようなものです。
だから私はよく、
「事業承継は“対話のスポーツ”ですよ」
とお伝えしています。
目次
■ AIは“超優秀なトレーナー”。準備の負担を一気に減らしてくれる
スポーツ選手が試合前にトレーナーにメニューを考えてもらうように、
事業承継でも AIの活用はとても有効 です。
たとえばAIにはこう頼めます。
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「社長に聞くべき質問を10個つくって」
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「後継者として今日話すポイントを整理して」
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「ロールプレイの相手役になって」
するとAIは、瞬時に質問を作り、対話の骨組みを整えてくれます。
忙しい支援者にとって、これはありがたい味方です。
ただし──忘れてはいけません。
AIはあくまで“準備のためのトレーナー”。
試合そのものには出場できません。
AIは責任を取れませんし、あなたの本当の感情に共感することもできません。
心の揺れや微妙な空気感は、AIには読み取れない領域です。
■ 本番で動くのは「人」。相手の想いや沈黙を感じ取れるのはあなた
試合のコートに立つのは、あなた自身です。
経営者と後継者が向き合う場面では、こんな“人ならでは”の瞬間が生まれます。
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ふとした表情の曇り
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一瞬の沈黙
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言葉には出ない本音の気配
これらは、AIでは拾えない“心の揺れ”です。
たとえば社長が「別に焦っていないよ」と言うけれど、
その声が少し弱っていたり、目線が泳いだり…。
その小さな変化に気づけるのは、人間だけです。
後継者の側も同じ。
「大丈夫です」と言いながら、実は不安を隠していることがあります。
そんな気配に気づいたとき、
そこから初めて“本音の承継対話”が始まるのです。
■ 今日からできる!「AI×人」で承継対話が3倍うまくいく3ステップ
難しく考える必要はありません。
以下の3ステップだけで、承継対話は驚くほどラクになります。
① AIに“今日使う3つの質問”を作ってもらう
例:「後継者と話すテーマを3つください」
例:「社長の思いを引き出す質問を3つ作って」
──準備はAIに任せればOK。
② 面談前の5分で“ウォーミングアップ対話”をする
スポーツと同じく、いきなり本番はNG。
「最近どうですか?」「今、気になっていることあります?」
こんなライトな会話だけで、空気が柔らかくなります。
③ 終わりの3分で“今日の気づき”を言葉にする
「今日はこれが心に残りました」
「次はこの話を深めましょう」
この3分が、次回の対話をぐっと進めます。
■ まとめ:最後に決めるのは“人の心”
AIが質問作りを手伝ってくれる時代になりました。
これは大きな追い風です。
でも、事業承継を本当に動かすのは、
人と人が向き合い、気持ちをやり取りするときに生まれる“安心”と“信頼” です。
AIは優秀なトレーナー。
あなたは本番のプレイヤー。
──この関係をうまく使えば、
事業承継の対話はもっと楽に、もっと温かく、そして確実に進みます。
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