【夏休みと事業承継】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
学生の皆さんは、そろそろ夏休みという方も多いのではないでしょうか。
社会人の方でも、交替で夏季休暇を取得するという方なら、夏休みという方もいるかもしれませんね。
事業承継を支援していると、夏休みの時期は年末年始と並んでとても重要な時期なのです。

帰省中の「会社見学ツアー」で親の想いを伝える

夏休みになると、久しぶりに子どもが帰省してくるという経営者の方も多いのではないでしょうか。
日ごろは離れて暮らしているご家族と、ゆっくり話ができる貴重な時間。そんなときこそ、さりげなく「うちの会社、ちょっと見てみるか?」と声をかけてみませんか。

これはいわば、「会社見学ツアー」。
かしこまった話をする必要はありません。ただ、親が毎日どんな場所で、どんな人たちと、どんな気持ちで働いているのかを、子どもに見てもらうだけでも意味があります。

たとえば工場の中を歩きながら、「この機械、30年前から使ってるんだよ」「ここの職人さん、うちの会社の宝みたいな人なんだ」と話す。事務所に立ち寄って、「この人は高校卒業してすぐ入社して、もう20年も頑張ってくれてる」と紹介する。そんな姿を見て、子どもは自然と親の想いや会社の重みを感じるのです。

社員に「うちの息子(娘)なんだ」と紹介するのも大切な瞬間です。親が自分のことをどう思っているのか、社員の目を通して知ることもあります。そして、何より大切なのは、親自身が会社でいきいきと働いている姿を見せること。口で「継いでほしい」と言うよりも、「この会社を守りたい」と思えるような雰囲気を感じてもらうことが、何よりの種まきになるのです。

ただし、この会社見学ツアーは「後継者教育」ではありません。見せることはしても、押しつけてはいけません。あくまで「見せること」が目的。感じるかどうかは子ども次第です。

親のなかには、「継いでほしいと思っていることを伝えると、子どもの自由を奪うようで言いづらい」と感じている方も多いでしょう。でも、想いを伝えることと、子どもが継ぐかどうかを決めることは別です。

「もし君が会社を継いでくれたらうれしい。でも、直ぐに答えを出さなくていいよ。君にとっても、重要な決断だから、お父さんとお母さんの希望だということだけ、知っておいて欲しかったんだ」
そんな一言が、心に残ることもあるのです。

夏休みは、そんな一言を伝えるのにぴったりのタイミング。帰省中の「会社見学ツアー」を、ぜひ一度、実践してみてはいかがでしょうか。それが、事業承継への第一歩になるかもしれません。

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