対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
今年は桜が比較的長く咲いてくれたので、花見を楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。
大阪では造幣局の通り抜けが始まっており、多くの人手で賑わっています。
事業承継に20年近く経ちましたが、未だに迷うことが多いです。本当に複雑です。
親族が絡むと止まる理由は「不公平」じゃない
【ケース(あるある)】
親族内承継の相談。社長は「長男に継がせる」と決めている。後継者も腹を括っている。ところが、親族の話が出た瞬間に空気が変わる。
「妹にも説明しないと…」「配偶者はどう思うかな…」
専門家が株式や遺言の話を始めても、当事者の目線が泳ぎ、結論が先延ばしになる——。
このとき支援者は「不公平感が問題ですね」と言いがちです。もちろん公平は大切。
でも、止まる本当の理由は多くの場合、そこではありません。親族が絡むと止まるのは、**“損得の争い”というより“関係が壊れる怖さ”**が前に出るからです。
要するに、不公平の問題ではなく、納得の設計がないのです。
親族内承継で起きていること(構造)
親族それぞれが気にしているのは、だいたい次の3つです。
- 会社は続くのか(生活・信用・家の将来)
- 自分は大切に扱われるのか(尊重・説明・承認)
- いざという時に揉めないか(ルール・合意・記録)
ここに第三者が入らないと、社長は「説明したら揉める」と感じ、後継者は「自分が悪者になる」と感じ、親族は「知らされていない」と不安になる。
結果、みんな沈黙して先送りします。
だから支援者の出番は、結論を急ぐことではなく、親族が安心して話せる**“段取り”を作ること**です。
これができると、税務・法務・登記・金融の専門性が一気に活きます。
今週の1スキル:「公平」ではなく“納得”を設計する2つの質問
親族対応の入口は、次の2問で十分です。
質問①(社長・後継者へ)
「“公平にしたいこと”と、“納得してもらいたいこと”は別物ですが、分けると何が出ますか?」
質問②(親族へ)
「結論の賛否の前に、まず“知りたいこと・不安なこと”を教えてください。今日ここでは、決めずに論点を揃えます。」
ポイントは、親族会議を「決める場」にしないこと。最初は“揃える場”。それだけで、場が壊れにくくなります。
テンプレ(コピペ可):親族内承継の論点整理シート
- 公平にしたいこと(お金・財産の話):____
- 納得してほしいこと(気持ち・役割・説明):____
- 親族が知りたいこと(質問):____
- 共有してよい事実(会社の現状・方針):____
- 次回までに決めること(1つ):____(期限:__)
- 合意の記録方法(議事メモ/書面化):____
【今週の宿題】
次の面談で、まず質問①だけ投げてください。社長・後継者の頭の中が「損得」から「納得の段取り」に切り替わります。
親族が絡む承継は難しい——だからこそ、対話を設計できる支援者は強い。ここに入れるようになると、案件が“動く”実感が出ます。
あなたの現場では、親族で一番止まりやすいのは「配偶者」「兄弟姉妹」「次世代(子ども)」のどれですか?(一言でOKです)
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https://jiririta-japan.com/lp01/
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