対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
目次
承継期の投資が通る「想い→投資→返済」の一本線——銀行面談で詰まらない話し方
【ケース(あるある)】
承継が視野に入った会社で、後継者が設備更新やDX、省人化投資を検討する。ところが金融機関面談になると、説明がこうなりがちです。
「必要だからです」「競合もやっているので」「古いので入れ替えたい」
すると銀行側は質問を重ねます。
「なぜ今?承継はいつ?誰が決める?返済原資は?」
後継者は言葉に詰まり、社長が横から補足して“いつもの社長案件”に戻る——。この瞬間、投資も承継も止まりやすくなります。
ここで必要なのは、分厚い計画書ではありません。承継期の投資は、一本の線で語れれば通りやすくなります。その線が「想い→投資→返済」です。
1)想い:10年後、どんな会社にしたいか(最初に一文)
最初に数字を置くのではなく、こう言えるかどうかです。
「10年後、うちは“何が強い会社”でありたいか」
この一文があると、投資は「思いつき」ではなく「戦略の必然」になります。承継期は特に、銀行が見ているのは設備よりも“次の経営が何を目指すか”。想いがない投資は、説明しても説得力が出ません。
2)投資:想いを実現する“打ち手”として語る
投資の説明は「何を買うか」ではなく、「何を変えるか」。
例)
省人化設備:人手不足でも納期を守る体制を作る
DX:原価・工程の見える化で粗利を守る
新規設備:品質安定でクレームを減らす
このように、想い(会社像)と投資(打ち手)がつながると、銀行の質問は“確認”になります。
3)返済:どう稼いで返すか(返済原資を言葉にする)
返済原資は、難しい数字の前に「構造」で語れます。
単価を上げる(価値訴求、値決めの見直し)
粗利を上げる(歩留まり、ロス削減、原価管理)
回転を上げる(納期短縮、稼働率向上)
固定費を抑える(省人化、外注最適化)
ここが言えると、銀行は「返せる道筋」を見ます。数字はその後で整えればよい。
テンプレ:銀行面談に持っていくA4一枚
想い(10年後の会社像・一文):____
投資の目的(何を強くする):____
投資内容/時期:____
承継の時期:代表交代__/段階移行__
意思決定体制:投資の決裁者__(後継者/社長/共同)
必要資金:自己資金__/借入__
返済原資(どう稼ぐ):____
リスクと手当て(縮小案・撤退基準):____
承継期の投資は、社長の経験と後継者の構想が交差する分、説明が難しく見えます。
だからこそ「想い→投資→返済」の一本線を先に作る。これができると、銀行面談は詰問ではなく、前に進める対話になります。
【今週の宿題】
次の打合せで、まずは「20年後の会社像」を一文で揃えてください。その一文が、投資の背骨になります。
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