【これも事業承継が必要?】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®️』の鹿島です。

企業の情報漏洩や、PHPの脆弱性に端を発するWeb歳が停止されるといったニュースが連日報道されていますね。
ふと思いました。「デジタル資産の承継って大丈夫なのかぁ」って。

そこで、今回のテーマはこちらです。

社長のスマホが使えなくなっても止まらない事業承継

中小企業では、社長のスマートフォンに取引先の連絡先、二要素認証、ネットバンク、クラウド資料、電子契約、暗号資産の情報が集中しがちです。
突然の入院や事故で端末が使えなくなると、連絡、送金、契約確認が滞ります。端末のパスコードが分からない場合、第三者による解除は困難です。
先日、iOSのバージョンアップの手続きをしていたら、何らかの理由でiPhoneが初期化されるトラブルがありました。
データはパソコンに保存されていたので問題なかったのですが、iCloudのパスワードが何故か使えなくなり、リセットしようとしたのですが、Appleからのメールにはパスワードリセットに3日以上かかると書かれていました。
iCloudが使えないと、iPhoneのアプリが使えなくなります。普段、何気なく使っているものが使えなくなるとかなり不便です。
最近、さまざまなサービスを利用する際に、二要素認証などを携帯電話で行うことが増えていますよね。
ネットバンクの承認などができなかったんです。

1. デジタル資産を台帳化する

スマートフォンだけでなく、パソコン、タブレット、メール、クラウド、外付け媒体、請求明細を確認し、次の項目を一覧にします。

  • 顧客・仕入先・金融機関・専門家の連絡先
  • 業務メール、認証アプリ、SMS認証の電話番号、復旧コード
  • 会計、給与、顧客管理、ファイル共有などのクラウド
  • 電子契約の契約先、管理者、更新日、原本の保存場所
  • ネット銀行、証券、決済、暗号資産取引所、ウォレット
  • ドメイン、レンタルサーバー、サブスクリプション

利用サービスはアプリ一覧だけでなく、メール受信箱とカード・銀行の6〜12か月分の明細からも洗い出します。年払い契約は見落としやすい項目です。

2. 社長個人への依存を減らす

業務データは社長個人の端末や個人クラウドではなく、法人名義の共有領域に保存し、後継者や担当者に必要な権限を付与します。ネットバンク、電子契約、会計サービスは、社長のIDを使い回さず、複数の管理者・利用者アカウントと代理承認を設定します。先日もITの専門家がコメントしていましたが、パスワードの使い回しが最も被害が大きくなるそうです。パスワード管理アプリを利用するか、パスワードリストを作成するようにと言っていました。パスワードリストを誰でも見られる場所に置いておくのは論外ですが、パスワードが漏洩して遭う被害に比べて、パスワードリストが盗まれる確率のほうが低いからだそうです。

パスワードを台帳に平文で並べず、法人向けパスワード管理ツールや暗号化媒体で管理し、台帳には保管場所と緊急時の取得手順を記載します。二要素認証は社長の携帯電話だけに依存せず、復旧コード、予備端末、複数管理者を用意することを検討した方がいいですね。

暗号資産は、取引所保管か自己管理ウォレットか、法人資産か個人資産かを区分します。秘密鍵やシードフレーズを失うとアクセスできなくなるため、通常の台帳とは分離して厳重に保管し、税理士・弁護士と承継方法を確認します。

3. 後継者・家族・従業員と役割を決める

後継者には、経営判断、金融機関、契約、顧客情報を引き継ぎます。経理・総務には、給与、請求、支払、電子契約の継続手順を共有します。家族には、個人写真、私用アカウント、葬儀や連絡に関する希望を伝え、法人データとの境界を明確にします。

「誰が、いつ、どのサービスを、どの手続きで引き継ぐか」「保存するデータと削除するデータは何か」を書面化します。本人のパスワードで無断ログインするのではなく、各サービスの利用者変更、管理者追加、死亡時・利用停止時の公式手続きを使います。

Appleの故人アカウント管理連絡先やGoogleのアカウント無効化管理ツールは、写真やメールなど個人データの整理には役立ちます。ただし、キーチェーンのパスワードや、急な社長不在時の法人業務を自動で引き継ぐ機能ではありません。

4. 不在訓練と定期更新を行う

半年に一度、台帳、権限、復旧コード、契約更新日を点検します。さらに「社長のスマホなしで一日業務を行う」訓練を実施し、認証不能、決裁者不在、契約原本の所在不明、取引先への通知漏れを洗い出します。端末が使えなくなった際は、推測でパスコードを繰り返し入力せず、初期化を保留して公式窓口や専門家に相談します。

デジタル資産の整理を事業承継計画と社長不在時のBCPに組み込めば、スマートフォンが突然使えなくなっても、会社の連絡、契約、支払、意思決定を継続しやすくなります。

 

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