対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
先日、とある独立行政法人の新入社員27名の方々に社会人としてのお金の話をしてきました。
金融に関する幅広いお話をしたのですが、若手職員がほぼ全員真剣に聴くテーマがありました。
何だと思いますか?
答えは、「投資詐欺」に関するテーマでした。
2023年から2025年にかけて20代の被害件数が急増しました。
2025年12月11日のYahooニュースによると、2025年の調査では、20代の投資詐欺被害率は9.1%に達し、これは60代・70代(約3%台)の約3倍という高い水準だそうです。
SNSへの依存度が高い若者の方が、マッチングアプリや出会い系で知り合った人から誘われて詐欺に遭う機会が多いようです。
お金の話は新入社員だけに関することではありません。事業承継もお金とは無縁ではありませんね。
目次
退職金・株式・納税——金額より先に揃える表(承継の資金不安を“見える化”する)
【ケース(あるある)】
事業承継の話が動き出したと思ったら、急に止まる。原因はだいたい「お金」です。
社長がぽつりと「退職金はどうなる?」と言い、親族が「株は誰が買うの?」と聞き、顧問が「納税資金の手当てが…」と口にする。後継者は黙り、金融機関は慎重になる——。この瞬間、承継は“難しい案件”に見えてきます。
でも実務で多いのは、難しいのではなく見えていないだけです。しかも、最初から精緻な金額を固めようとするほど、当事者は身構えて止まります。そこで最初にやるべきは、金額の確定ではなく、承継期にお金が動くポイントを「表」にして揃えることです。
今週の1スキル:「退職金・株式・納税」を“有無→時期→概算”で揃える
承継期に資金が動く代表的な3イベントはこれです。
- 退職金(支給するのか/いつ/どの程度のレンジか)
- 株式(移転・買取)(誰が取得するのか/対価が必要か)
- 納税(相続・贈与・譲渡等に伴う税負担が出るか)
ポイントは順番です。
①有る/無い/未定 を揃える → ②時期 → ③概算(レンジ)
いきなり③から入らない。まずは「有無」と「時期」が揃うだけで、社長・後継者・親族・金融機関の会話が一段落ち着きます。未定があって当然です。未定を“未定のまま見える化”できたら前進です。
テンプレ:承継資金イベント表(A4一枚でOK)
(○を付けるだけで進みます)
①退職金
- 有/無/未定
- 時期:____
- 概算:小/中/大(またはレンジ)____
- 決め方(誰が何を基準に決める):____
②株式(移転・買取)
- 対価:有/無/未定
- 誰が取得:____(後継者/親族/会社/その他)
- 時期:____
- 決め方:____
③納税資金
- 有/無/未定
- 税目イメージ:相続/贈与/譲渡/未定
- 時期:____
- 手当て:内部留保/借入/保険/資産売却/未定
④資金繰りへの影響(ざっくり一言)
- 一番山になりそうなもの:____
- 次に確認すべきこと(1つ):____(期限:__)
なぜこの表が効くのか(士業・金融・支援機関の“共通言語”になる)
- 税理士:納税・株式移転の設計に入りやすい
- 司法書士・行政書士:契約・登記・合意文書の順番が整う
- 診断士・指導員:資金イベントを織り込んだ承継計画にできる
- 金融機関:資金繰りの山が見え、融資や条件調整の論点が明確になる
「金額が確定してから」ではなく、「有無と時期が見えてから」全員の専門性が噛み合います。
【今週の宿題】
次の面談で、3イベントを有/無/未定だけ○で埋めてください。未定が多いほど正常です。未定を責めず、「次に決める順番」を作れたら、承継は動き始めます。
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