【合意の証拠とは】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
銀行員時代に熊本に赴任していたこともあり、熊本の地震はとても心配です。
被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。

事業承継計画は“作る”より「合意の証拠」にする──承継が動き出す1枚のつくり方

ケース(あるある)
事業承継の相談で、税務・株式・登記・融資の論点は出るのに、社長と後継者の会話が噛み合わない。そこで支援者が「事業承継計画を作りましょう」と提案すると、立派な資料はできるのに現場は動かない。
金融機関からは「計画は分かりましたが、意思決定は誰が?投資はいつ?資金イベントは?」と追加質問が増える——。

ここで見直したいのは、事業承継計画の位置づけです。
事業承継計画は“完成品”ではなく、社長・後継者・周囲の合意が取れた「証拠」にすると、一気に機能し始めます。


なぜ「合意の証拠」が効くのか(士業・金融の共通メリット)

  • 士業:前提(誰が何を承継し、いつ、どう決めるか)が揃うと、株式・相続・契約・登記が後戻りしない
  • 金融機関:数字より先に「意思決定の体制」と「資金イベントの見通し」が見えると、不確実性が下がり与信判断が進む
  • 診断・支援者:計画が“作文”ではなく、“次の宿題”に変わる

今週の1スキル:「事業承継計画=合意の議事録」に変換する

作り込む前に、まず1枚で 決まったこと/未決のこと/決め方 を残します。ポイントは数字を頑張らないこと。
合意の粒度は「言葉」で十分です。

テンプレ(コピペ可)『合意の証拠』事業承継計画(1枚)

  • 10年後の会社像(合意した一文):____
  • 社長が守りたいもの:____/後継者が変えたいもの:____
  • 承継の方針と時期(目安でOK):代表交代__/株式移転__(親族内・社内・第三者)
  • 体制(意思決定:案件種類で):値決め__/採用__/投資__(決める人・相談先)
  • 今年やる打ち手(最大3つ):①__②__③__
  • お金のイベント(有無と時期だけ):
    退職金〔有/無/未定〕時期__、株式対価〔有/無/未定〕時期__、納税〔有/無/未定〕時期__
  • リスクと手当て(1つ):____
  • 次回までの宿題(1つ):____(担当__/期限__)

使い方(金融機関面談でのひと言)

「今日は詳細な数字より先に、合意できている前提を1枚にまとめました。未決は未決として、決め方と期限まで入れています。」

この一言があるだけで、面談が“根掘り葉掘り”から“建設的な確認”に変わります。


宿題(15分)

支援先(または想定案件)で、上のテンプレを空欄があっても1枚作ってください。空欄は「次に対話すべき論点」の地図になります。

最後に質問です。事業承継計画が“作文”になってしまう最大の原因は、
①目的の不一致
②決裁の曖昧さ
③お金イベント未整理
④関係者説明不足、どれが多いですか?

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