対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
これを読んでくれた多くの方は、顧客を抱えていらっしゃると思います。
異動や転職等で社内の前任者から顧客を引き継ぐこともあれば、顧客を社外に紹介したり、紹介してもらうといったことがありますよね。
社内の場合だと、SFAといった社内の顧客DBとか、引継ぎマニュアルに沿った引継ぎがありますね。
でも、社外の紹介の場合は社内の引継ぎほど引継ぎの仕組みが整っていませんよね。
みなさんは、どのように紹介したり、されたりしていますか?
紹介するにしても、されるにしても、最終的に影響を受けるのは「顧客」なんですよね。
だから、紹介する際には、顧客の了解を得たうえでということにはなりますが、「紹介引き継ぎシート」のようなものをお渡しするようにしています。
紹介後の相談を止めない「紹介引き継ぎシート」の作り方
士業や金融機関職員が顧客を専門家へ紹介した後、「紹介先から連絡がない」「顧客が同じ説明を繰り返している」「誰が次に動くのか分からない」という状態になることがあります。紹介営業では、金融機関の融資先などを専門家へつなぐ場面が多いため、紹介時点で情報と役割を整理しておくことが、相談の初動を左右します。
本稿では、個別の承継対策や専門家営業ではなく、「紹介した後の業務を止めない仕組み」に絞って考えます。
シートに入れる5つの確認項目
1.紹介の目的と到達点
「事業承継について相談」では広すぎます。「初回面談で承継方法の選択肢と必要資料を確認する」など、今回の相談範囲と、初回面談で確認したいことを分けて書きます。契約や受任が決まっていない場合は、「相談」「情報整理」「専門家の選定」など現在地も明記します。
2.事実・本人の希望・未確認事項
会社概要や相談内容だけでなく、情報の確度を分けて記録します。例えば、「社長は長男への承継を希望」「長男の意向は未確認」「株主名簿との照合は未実施」のように書けば、紹介先が推測を事実として扱うことを防げます。
3.共有同意と情報の範囲
氏名、連絡先、相談概要、決算書など、何を誰に共有してよいかを記載します。同意を得た日、方法、共有できない情報も残します。金融機関の外部専門家紹介やビジネスマッチングでは、紹介目的と顧客保護の観点を確認できる記録が役立ちます。
4.関係者と役割
相談者、紹介元、紹介先、それぞれの担当者を明記します。「専門家から連絡」ではなく、「紹介先が○月○日までに電話」「連絡がなければ紹介元が○日に確認」のように、担当者と期限まで落とし込みます。
5.受領・進捗・終了条件
紹介先には、受領日、対応可否、初回連絡予定日を返してもらいます。進捗は「未接触」「連絡済み」「日程調整中」「面談済み」「本人希望で保留」など、簡潔な状態で共有します。反応がない場合の再連絡日や、保留・終了の扱いも決めておきます。
記載例
相談者:株式会社〇〇・代表取締役
相談者の言葉:「息子へ株式を渡したいが、税負担と進め方が分からない」
今回の依頼:株式移転の選択肢と、比較に必要な資料を初回面談で確認する
確認済み:社長が全株式を保有しているとの申告。株主名簿は未確認
未確認:後継者本人の意思、家族間の合意、希望時期
共有同意:氏名、連絡先、相談概要の共有に同意。決算書は面談後に別途確認
次の行動:紹介先が10月8日までに電話。平日15時以降を希望
未接触時:10月9日に紹介元が状況確認。連絡が取れなければ10月16日に再確認し、保留または終了を記録
運用を定着させる方法
シートを送るだけで終わらせず、紹介前に5分程度の口頭確認を行います。紹介先は受領後、対応可否と連絡予定日を返信します。初回面談後は、相談者の許可した範囲で「確認できたこと」「不足資料」「次回期限」を更新します。
月次では、紹介件数だけでなく、初回連絡率、面談実施率、紹介から面談までの日数、保留理由を確認します。相談が止まった案件を責めるのではなく、どの項目が空欄だったかを振り返れば、シートを実務に合わせて改善できます。
紹介引き継ぎシートは、顧客情報を詳しく書くための書類ではありません。相談の目的、共有範囲、次の担当者、期限を三者でそろえ、紹介後の空白をなくすための共通記録です。
最近では、生成AIを活用すれば、こうした書類は格段に早く作成できるようになりました。
事業承継の支援をしてみたいという方へ
定期的に無料のオンラインセミナーを開催しています。
御都合のよい日時をお選びください。
コチラからお申し込みいただけます。
→ https://jiririta-japan.com/lp01/
コメント
COMMENT